絶妙なバランスの「青」･･･上品に個性が際立つ‟Canonico(カノニコ)”で仕立てるスーツ

ブログをご覧をいただきまして、誠にありがとうございます。

長野市中御所のテーラー・GENTLE BREEZE（ジェントルブリーズ）／ヤマギワです。

Ｔ様が誂えたスーツが仕立て上がりました。

今回Ｔ様が選ばれた生地はイタリアの名門「Canonico（カノニコ）」。ネイビーほどカラートーンを落とさず、とは言えブルーほど明るくない絶妙なバランスを備えた色味の生地なのですが、何とも説明のつかない日本にはない「青」ではないかと思われます。しかも美しい･･･羊の脂分から生まれるしなやかさと光りの入り具合によって放たれる光沢は、それはそれは上品な艶感を生んでいます。

一般的に、ネイビーという色は明るくなればなるほどコーディネートが難しくなり・着るべき場所も選ばざるを得ないケースも多いのですが、Ｔ様のお人柄から滲み出る誠実さや丁寧な所作・言葉の選び方などが、それを容易なものにしている･･･というのが（生意気ながら）私の見解です。

主なディテールとしては、オーダーメイド感を助長する「本切羽」に加えて、（着方に難しさが出る）生地色に施されたAMFステッチが秀逸。フォーマルな印象を与える生地色をバランスよくドレスダウンするように、ビジネス着としての佇まいを完成させています。

※AMFステッチ：American Machine and Foundry社が開発したミシンで入れるステッチ

ホームページなどをご覧いただきながら、ジェントルブリーズにお出かけいただいたＴ様。初めてお電話をいただいた時の丁寧で優しい語り口と、ご来店時の自然体でありながらスマートな所作が印象的で、そんなＴ様に相応しい1着が仕立て上がったのではないかと思います。まさに、「着る方」が醸し出す佇まいで完成したスーツスタイル･･･素敵です。

今回、私と致しましても愉しい時間をご一緒させていただき、ありがとうございました。

そして、この度のオーダー、心より感謝を申し上げます。