スーツにステッチ・・・入れるべきか入れざるべきか

ジャケットの襟などに入っているステッチって必要ですか?

何のためのステッチなんでしょう?

襟のフチに施されたAMFステッチ

【目次】

1.ステッチを入れるべきか入れざるべきか

2.ステッチの由来

3.ステッチの効用

4.まとめ

1.ステッチを入れるべきか入れざるべきか

このステッチを入れるべきか入れざるべきか・・・多くのお客様にご質問を頂戴しますが、ジェントルブリーズの結論は・・・ビジネスやカジュアル着としてお考えであればステッチを入れるのも良いでしょう(フォーマルな装いとしてお考えであればオススメしません)。

ステッチを入れない仕様

2.ステッチの由来

このステッチ(ピックステッチと呼ばれることもあります)、もともとはイタリアの縫製職人が自身の技術の高さを誇示することを目的として施されたという説があります。ただ、当初は手縫いで行っていた作業であり・スーツの見た目を左右する仕様であるが故、均一にステッチを入れるには高い技術力を要したことも事実ですので、この説もあながち否定はできません。

今では「AMFステッチ」と呼ばれるこのステッチ。手縫い風ミシンを開発した「American Machine and foundry(アメリカン・マシン・アンド・ファウンドリー)社」の頭文字に由来しており、AMF社は一時期ハーレーダビッドソンを傘下に収め、スキー板から原子炉にまで携わっていたという企業としても知られています。

3.ステッチの効用

確かにステッチを入れることで上衣に立体感が出て表情が生まれ、それが仕立ての良さだという見方もできますが、礼服やフォーマルな席での一着をお考えなのであれば、カジュアルな印象に寄ってしまうステッチを入れることはオススメしておりません。

但し前述の通り、ビジネスの範疇であればステッチを入れることは問題ないと思われますし、ジャケパンスタイルなど、よりカジュアルに寄る着こなしをされるのであれば、襟のフチから少し内側にステッチを入れることも良いでしょう。

ビジネス用として仕立てられたスーツ(AMFステッチ有り)

4.まとめ

洋服全般に関する私見と致しましては、「着たいように着る」ことが一番なのではないかと考えておりますが、わきまえるべきは「本来の着方やマナー」なのではないかと思っています。中には、型崩れや見映えなどを考慮しつつステッチを入れた方が良いという見解もありますし、飾り気なくシンプルに着たいという方もいらっしゃいますから。

しかしながら、TPOによっては「着たいように着る」ことが許されないケース(例えば葬儀など)があることもわきまえていただけたら幸いです。

フロント部分や腰ポケットのフラップ(蓋)にAMFステッチ

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