「留めるべき時に留めるべきボタンを留める、ジャケットの‟ボタン問題”」について

「1月16日のジェントルブリーズ公式LINEで配信された、

留めるべきジャケットのボタンについて、もう少し詳しく教えて欲しいのですが・・・」

ブログをご覧をいただきまして、誠にありがとうございます。

長野市のビスポークテーラー・GENTLE BREEZE(ジェントルブリーズ)/ヤマギワです。

今回のブログでは、直近の公式LINE配信で取り上げさせていただいたスーツの上衣やジャケットの‟ボタン問題”について、掘り下げたいと思います(今回はシングルブレスト限定。ダブルブレストはまたの機会に)。

題して「留めるべき時に留めるべきボタンを留める、ジャケットの‟ボタン問題”。

まず、フロントボタンを留めるべき時というのは「どんな時か」・・・これは『立っている時』ということになります。意味合いとしては「相手に対して敬意を払いつつ礼儀正しく」と言ったこともありますが、スーツの上衣やジャケットは、起立姿勢の時に留めるべきボタンを留めると美しいシルエットが完成するように仕立てられている、ということも念頭に置いていただきたいと思います。

決してポケットに手など入れずに、肩で着たジャケットの袖をスッと自然に下した時に如何に美しいシルエットが出来上がるか・・・鏡の前で確認してみて下さい(留めるべきボタンは後述)。

立っている時はボタンを留めます

では座っている時はどうしたら良いのか・・・ジャケットのボタンは全て留めなくて結構です。つまり、全てボタンホールから外して下さいということ。

これは公式LINEでもお伝えしましたが、人間というのは座ることで体の体積が増えるため、起立姿勢の時より座っている時の方が(特にお腹が)膨れてしまうことから、ボタンや生地に過度なストレスがかかることを防ぐために‟留めなくて良い”ことになっています。

※例外1:ダブルブレストスーツの場合は座っている時でもボタンは留めたままです(ダブルの場合は生地の合わせ部分が多いため、ボタンを外すとダラリと垂れてだらしない印象になってしまうため)。

※例外2:大切な商談や面接の時は、シングルブレストでも生意気(?!)な印象を与えかねないので、相手方との関係性を考慮することを忘れずに。

着座の時はボタンを外します

それでは起立姿勢の時に「留めるべきボタン」とはどこなのか。

ジャケットの前ボタンには2つのものや3つのもの・又はそれ以上のものも存在しますが、今回は以下の3種類についてご紹介します。

まずはじめに2つボタンのジャケットについて。

この場合は上の1つだけを留めて、下のボタンは外します。

2つボタンの場合、下のボタンは留めません

次に3つボタン。この場合は上2つのボタンは留めますが、最下段のボタンは留めません。

3つボタンの場合は、上2つ留め

そして3つボタン段返りの場合。このディテールは、ボタンが3つ付いていながら一番上のボタンは装飾的要素が強く、ジャケットの下襟に隠れているようなデザインになっています。この時留めるべきボタンは真ん中の1つだけとなります。

下襟に隠れてボタンが付いていますが留めません

いかがでしたか?何だか面倒だと言う方もいらっしゃるかも知れません。

もともとスーツのルーツとして、貴族が馬に跨った際にフロントボタンを全て留めてしまうと窮屈になるということから、一番下のボタンは留めなくても良い「アンボタンマナー」が生まれました。

ちなみに3ピースのようにベストを着用した時に上衣のボタンはどうすべきか・・・答えは「起立姿勢の時でも外していただいて構いません」。これには、ボタンを外しても(元来下着であった)シャツが丸見えにならないことから失礼に当たらないという謂れもあるのかも知れません。

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