第3講 イタリア・イギリス・アメリカ・・・各国の特徴的スーツ事情
「スーツのディテール(仕様)でイタリア的・イギリス的・アメリカ的って言うけど何が違うの?」
最終講はアメリカをご紹介します。
ブログをご覧をいただきまして、誠にありがとうございます。
長野市のビスポークテーラー・GENTLE BREEZE(ジェントルブリーズ)/ヤマギワです。
3回に渡ってお送りしてきました「各国の特徴的スーツ事情」ですが、今回がひとまず最終回・・・アメリカ編をお届けします。
アメリカスーツというのは、やはり「合理的」という言葉がしっくり来るような気がします。効率良く生産することはもちろんですが、着る側にとっても実用性が高く・(締め付けなく)着やすいということが言えるのではないでしょうか。
大量生産・大量消費を牽引してきたアメリカでは、一人一人にオーダースーツを仕立てていくというまどろっこしいことはせず、生産効率を重視して工場で大量に既製品のスーツを作ることを目指しました。そこで職人が手仕事で行う細かい部分や作業時間のかかる工程を簡素化したスーツを創り出します。
アメリカスーツのディテールは・・・
代表格はフロントダーツを排し、ウエストの絞りをゆるく設定した「サックスーツ」と呼ばれるモデル。後のアイビールックに通じるデザインで、アメリカントラッドの老舗ブランドは今もサックスーツを作り続けています。
そして、ラペルのエッジにあるステッチ。
これは見えにくい程ドレッシーだとされており、つまりはステッチがなく袋状に縫い上げているものが最もフォーマル。効率重視のアメリカンスーツは、このラペルエッジのステッチをミシンで一気に縫い上げるためエッジの内側に糸目が連続しており、これがあることでルックスはドレス向きというよりもカジュアル傾向が強くなります。
これらのジャケットに(アメリカ)襟の小さなボタンダウンシャツやストライプが右下がりのレジメンタルイタイを絞め、チノパンやデニムで合わせたらアメトラの雰囲気を醸し出せますね。ニットタイやマドラスチェック柄のシャツなども鉄板です。
ちょっと力を抜いたスーツやジャケットがアメリカ的。個人的にはそんな印象を抱いています。
いかがでしたか?各国のスーツの特徴。
もっと掘り下げればキリがないのですが、今回はここまで。
改めて機会がありましたら深掘りしたいと思います♪
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