「礼服を着る=相手に対する礼節や配慮」・・・ゆえに大人の必需品と心得る

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長野市中御所のテーラー・GENTLE BREEZE(ジェントルブリーズ)/ヤマギワです。

K様が誂えた礼服が仕立て上がりました。

「着るべき服」としての礼服

この度、K様から冠婚葬祭で着ることを目的とした「礼服をオーダーしたい」というお話を頂戴し、4月の下旬に行われる結婚式に向けて3月上旬にジェントルブリーズにお出かけいただきました。

近年の結婚式はカジュアル化が進み、必ずしも礼服でなくても良いケースが増えていますが、お立場上K様ご自身が主賓として招待されることも少なからず想定されるため、今回(社会的な立場も考慮され)「礼服」というご指定をいただいた次第です。

つまり、お相手に対する礼節や配慮を考慮しつつ「着るべき服として礼服」を選択されたということになります。

「色が浅い黒」は礼を欠く

前述の通り「礼服」というのは‟(着たい服ではなく)着るべき服”ですから、ご自身の嗜好よりも‟相手方への礼節や配慮”が最優先となります。よってジャストフィットであることの他は、ディテールにも‟遊び”はありません。

礼服の生地というのはブラックスーツのそれに比べ(回数にして)2~3倍染め重ね、染め生地の奥まで黒を浸透させることで光の下でも赤み・青み・茶色っぽさが出ない「真の黒(漆黒)」を実現しています。今回K様は結婚式への参列を控えて誂えられましたが、日本の葬儀や弔事では「色が浅い黒」は礼を欠くとされているため‟大人の嗜み”としては深い黒が求められる、ということになります(礼服は見た目の印象だけでなく、相手に対する敬意や誠意を表す服装でもあります)。

(漆黒の他に)配慮すべき礼服の注意点

ジェントルブリーズではブラックスーツなどのオーダーをいただく場合、念のため「礼服でなくても支障はありませんか?」と確認をさせていただくことも多く、その際「ブラックスーツと礼服というのは違うのですか?」というご質問もいただきます。つまり礼服とブラックスーツの違いをご存知ない方もいらっしゃるということなのですが、‟黒の深さ”の他に以下のポイントを押えていただけましたら参考になるかと存じます。

  *裏地は無地のブラック・ダークグレーなどを選ぶ

  *ボタンは黒を選ぶ

  *上衣のベントは入れない(ノーベント)

  *スラックスの裾はシングル仕上げにする

必需品としての「礼服」

K様に礼服をオーダーいただいたことで、今回「礼服とブラックスーツの違い」などについてもお伝えさせていただきました。弔事の場では失敗が許されませんので「正しく礼服を着る」ことが求められますが、今や結婚式では確実に礼服を着る方のほうが少なくなっているようにも思えます。ご自身が所有する一張羅のスーツにストライプやチェック柄のワイシャツや光沢のあるシルクのネクタイ・茶色の革靴などをコーディネートし、華やかな装いでお祝いの気持ちを表す・・・というように。それはそれで時代性を表わすものですから全否定するものではありませんが、新郎新婦との関係性やどんな立場(主賓など)で招待されるかによっては、相応の服装が求められることも忘れてはならないのだということを改めて実感します。

何につけ「礼服は大人の必需品」と考えていただいて間違いありません。

K様、この度のオーダー誠にありがとうございます!

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