オーダースーツの愉しみは一つ一つのディテールやパーツに意味を持たせること
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長野市のビスポークテーラー・GENTLE BREEZE(ジェントルブリーズ)/ヤマギワです。
S様が誂えられたスーツが仕立て上がりました。
日常的にスーツを着られるS様ですが、だからと言って「何でも良い」ということではなく、ビジネスシーンに相応しいディテールでありつつ、ご自身の「こだわり」を盛り込んだ1着となりました。
上衣の着丈は一般的な長さより若干短めで、少しだけタイトに絞ったシルエット(少し前の見るからに細身のタイトシルエットとは異なります)に2つボタン掛け・センターベント。トラウザースもノークッションでモードな雰囲気の丈感とし、裾へ向かってストンと落ちる美しいラインもターンナップ(ダブル)で引き締まった印象となっています。
ちなみにトラウザースをダブルで仕立てる場合、裾のもたつきを防ぐためにプレーンボトム(シングル)で仕立てる時より短めの丈(ハーフクッション又はノークッション)をオススメしています。
更に細かなディテールを見ていきますと、上衣の前裾(フロントン部分)のカットは「カッタウェイ」仕様。これは前裾をより深い曲線でカットした仕様なのですが、モーニングコートに由来するためフォーマルでクラシックな仕立てであることはもちろん、前裾が開いてトラウザースの露出が増えることから足長効果などのメリットもあります。
また、上衣の腰ポケットは斜めにした「スラントポケット(ハッキングポケットとも言う)」仕様とし、こちらもクラシックなディテールでありながら、現代ではスタイリッシュは雰囲気を醸し出すことが可能です。なお、スラントポケットとは乗馬の際に着用したハッキングジャケットに付いていたもので、馬に乗りながらもポケットに手を入れやすいように斜めにしたことに由来しています。
いかがでしたか?
スーツを日常的に着られるS様だからこそ、スーツを着た時にどのように映るか・どのように見られたいか・そしてご自身に何が似合うのか・「なりたい自分」を表現するためにはどのような仕様が良いのかを熟知されているからこその1着と言えます。
スーツを誂える上で必要な一つ一つのディテールやパーツに意味を持たせることは実に楽しい行為として、これからスーツを仕立てたいという方の参考になりましたら幸いです。
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