寒い季節には寒い季節に相応しい生地を・・・”上質”秋冬生地で仕立てたジャケット
ブログをご覧をいただきまして、誠にありがとうございます。
長野市中御所のテーラー・GENTLE BREEZE(ジェントルブリーズ)/ヤマギワです。
O様が誂えたジャケットが仕立て上がりました。
冬には冬に着るべき「生地」があります
春には3Pスーツをお仕立ていただいたO様。
今回は予てより伺っていた「秋冬用のジャケットを誂えたい」というご希望にお応えする目的で、ツイード生地などが入荷したタイミングでご案内をさせていただいたところ、お忙しい中をお出かけいただきました。暖かい季節と寒い季節で同じ上衣を羽織っていらっしゃる方も多くお見掛けしますが、季節に合わせて生地を選ぶことはスーツやジャケパンスタイルにおいてはマナーとも言える領域のお話で、ジェントルブリーズでは‟大人として大切な心得”であると考えます。

自分好みの「仕様」を仕込む
元々スーツもお好きで過去にも何着か仕立てられていらっしゃるO様ですが、この度のジャケットは「スーツを着るほど堅苦しくはないのだけれど、ジャケットくらいは着ていないと失礼になってしまうような場」に合わせて誂えたいとのこと。細かなディテールについても見識が深く裏地の内ポケット周りに台場仕立てを仕込まれた他、所々にこだわりの一端を垣間見ることができます。
これらは決して他人の目につくものではありませんが、それぞれのディテールにおける由来などに共感していただきつつ大人の密かな愉しみ(遊び心)として、より上質且つラグジュアリーな印象を与えます。

失敗しないジャケパンスタイルの「鉄則」
O様からはジャケパンスタイルのコーディネートについてもお尋ねいただきました。
結論から申しますと、失敗しないジャケパンスタイルの鉄則は3つだけ。
①「濃い色」 × 「淡い色」
②「柄物」 × 「無地」
③3色コーデ
以上となります。
つまりはジャケットが「濃い色」であればボトムスは「淡い色」に、ジャケットが「柄物」であればボトムスは「無地」に、そして無彩色(白・黒など)を除いて3色以内でまとめる・・・という意味なのですが、上記3点を「鉄則」とした場合にジャケパンスタイルで失敗することはありません。
例えば上記とは反対に、ジャケットが「淡い色」・ボトムスが「濃い色」、ジャケットが「無地」・ボトムスが「柄物」というように上下が逆になったとしても理屈は同じです。では「濃い色」×「濃い色」や「柄物」×「柄物」が絶対にダメかと言うとそうではないのですが、ファッションセンスのハードルが上がる難しいコーディネートになるためオススメはしていません。
ジャケパンスタイルのコーディネートに自信のない方は、上記「鉄則」をぜひ実践してみて下さい。

3シーズン着られる服は「大人の嗜み」に反する?
最後に、よくお客様に質問される事柄について。
それは「春・秋・冬の3シーズン着られる生地というのは邪道でしょうか?」ということ。これについてはそれぞれのライフスタイルやそれに伴うお金をかけるべき優先順位が異なるため、邪道とまでは申しませんし(個々の)事情において判断すべきだと思いますが、できる限り季節に応じて・その季節に相応しい生地を纏っていただくことをオススメ致します。春・秋にはコットン素材など、夏にはリネン、冬にはツイードやフランネルなど・・・ということになりますが、大人の嗜みやマナーとして冬にリネンを着ていたら寒々しくて周囲の方は心配するでしょうし、夏にツイードやフランネルのジャケットを着ていたら然りです。マナーと言うのは「他人に対する思いやり」とも言われますので、他人に余計な心配をかけないということも大切になるかと存じます。

話は尽きませんが、O様、この度のオーダーもありがとうございました。この冬は上質ジャケットを愉しんでいただけましたら幸いでございます。
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