代々受け継がれる『社会に旅立つ息子にスーツを贈る』という文化
ブログをご覧をいただきまして、誠にありがとうございます。
長野市中御所のテーラー・GENTLE BREEZE(ジェントルブリーズ)/ヤマギワです。
S様が誂えたスーツが仕立て上がりました。
人生の門出に親御さんからスーツをプレゼント
S様が選ばれた生地はREDA社のネイビー×チャック柄。上品で爽やかな印象を放ちながらもクラシックで落ち着きも兼ね備えたバランスの良いもので、こちらをウェストコートと共に3Pスーツに仕立て上げました。この春に大学を卒業され、社会に旅立つ門出に親御さんからプレゼントされた逸品です。

オーダーならではの‟仕様(ディテール)選びの愉しさ”
当然のことながら「就活以外はスーツを着ない」という学生さんが多く、スーツに対してそれほど興味や思い入れがない方も多いのですが、(他の多くの学生さんがそうであるように)S様もバンチブックやボタンファイルなどをご覧いただくうちに「オーダーすることの愉しさ」のようなお気持ちが芽生えたように感じました。
そうした過程でお選びいただいたディテールは袖口ボタンの「本切羽」。ボタンの付け方は4つボタンの‟並び”なのですが、実はボタンも生地に合わせたネイビーカラーをセレクトされていらっしゃいます。

更には、見えない裏側の内ポケット周りを「本台場」仕立てに。「見えない所にもこだわりを」ということで台場仕立てを選ばれる方も多いのですが、人生の門出相応しい一着となりました。

親から子へ贈るスーツ・・・継承される文化
最初にジェントルブリーズへお問い合わせをいただいたのはS様のお父様でした。
「社会人になる息子にスーツを作ってあげたいのですが・・・」というお電話。
お伺いするとS様には二人のお兄様がいらっしゃり、そのお兄様にもお父さまから(社会人になる記念に)スーツを仕立ててプレゼントされたとのことでした。更には、お父様ご自身も若かりし頃「社会人となる記念に」親御さんにスーツを作っていただいたということで、S家様には『社会に旅立つ息子にスーツを贈る」という素敵な文化がおありなのだと感激した次第です。

そして文化は引き継がれる・・・
そのような経緯で仕立て上がったスーツに袖を通されたS様は、ご自身が「着慣れない」という印象をかき消すほどの着こなし。そしてオーダーのプロセスで興味を抱いていただいた以上に、ジャストフィットな出来映えに既製品との違いを明確に感じていただけたのではないでしょうか。
きっとS様も「将来息子さんにスーツをオーダーしてあげるのだろうな」と思いつつ、ご納品時にお父様が成長したご子息の姿に感慨深い表情を浮かべていらっしゃった光景を忘れることができません。
S様、お父様・・・この度のオーダー、誠にありがとうございました。

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