大人の見識・・・引き算による‟隙のないブラックフォーマルスーツ”の作り方
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長野市中御所のテーラー・GENTLE BREEZE(ジェントルブリーズ)/ヤマギワです。
S様が誂えたスーツが仕立て上がりました。
今回のオーダーでS様にお仕立ていただいたのはブラックフォーマル。つまり「礼服」です。オーダーに際してS様からお話いただいたのは『正統派のブラックフォーマルである』こと。そのお言葉通り、黒の深さを見比べながら生地をお選びいただいたのですが、礼服の黒の細部までにこだわられる姿勢はテーラーとしても嬉しい限りでした。
主な仕様としては、まず「ダブルブレスト」。
ダブルブレストは軍服に由来することもあり、よりフォーマル度が増し、今後想定される荘厳な場にも相応しいものとなります。トラウザーズの裾は礼服に相応しくシングルとし、脛から踵側に斜めに仕立てられたモーニング仕様。立ち姿勢の前後に不要なシワが寄らず、美しい仕上がりとなっています。
そうして出来上がった佇まいは、一部の隙も無い‟正統派ブラックフォーマル”として完成したばかりか、実に凛とした雰囲気が漂います。
S様が普段着られているお洋服を拝見するにつけ、「お洒落が好きなのだな」と思わせるコーディネートなのですが、この度のオーダーに際しては‟着たい服より着るべき服”という意識を優先されました。それは「足し算」というよもご自身の嗜好を「引き算」していかれる作業だったかと存じますが、それこそがブラックファーマルを誂える上で必要な‟大人の見識”のような気がします。
そして、スーツの出来映えも去ることながら、そのさすがの着こなしに感服致しました。
S様、ブラックフォーマルのオーダーを頂戴し誠にありがとうございました!
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