オーダーメイドのスーツ vs 既製のスーツ・・・そのメリットとデメリット
「既製のスーツで十分なんですよ。
オーダースーツって高額なイメージがあるし時間もかかるので・・・」
ブログをご覧をいただきまして、誠にありがとうございます。
長野市中御所のテーラー・GENTLE BREEZE/ヤマギワです。
中には既製服で十分な方もいらっしゃるでしょうし、仰る通りにオーダーメイドは(既製の服よりは)高額でしょう。しかも購入したら即お持ち帰りというわけにもいきません。既製のスーツ(俗にいう″吊るし”)は、もちろん私も着ていたこともありますし、これを全く否定するものではありませんが「オーダーメイド」に少しでも目を向けていただけたらという想いで、今回はそのメリットとデメリットをお伝えしたいと思います。
確かに、既製服に利があってオーダーメイドにないものも存在します。
例えば「価格」。
ブランドや生地にもよりますし、ましてや縫製の仕方にもよるのですが、一般的にはオーダーメイドの方が高額になることが多いと思われます。この価格の高低というのは概して「一点モノと大量生産」の違いですから、同じ規格で大量に作られたモノの方がコストダウンが可能なことは自明の理。
では「貴方だけのために仕立てられた一点モノ」、サイズが合ったスーツやジャケットは何を生み出すのか、これに袖を通すことのメリットは何なのかと申しますと、まずは「美しい佇まい」だと言うことができます。「美しい佇まい」は他人の目を惹くばかりでなく‟(良い意味で)侮れない”印象を与え、ビジネスは勿論のことプライベートでも丁寧で誠実な対応を受けることが叶うものです。
カジュアルウェアはさておき、然るべき場で着るスーツやジャケットの背中には如何なるシワもあってはなりません。そこから得られる価格以上の効用をご理解いただけましたら幸いです。
次に「納期」。
前述の通り、既製服は「その日にお持ち帰り」が可能ですが、当然のことながらオーダーメイドはそうはいきません。ジェントルブリーズでは、お客様にお納めするまでに(オーダーから)35~45日ほどのお時間を頂戴しております。これには、ある程度の余裕を持ってのオーダーが必要かと思われますので、「急な入り用」を除いては‟真夏に秋冬(もしくは真冬に春夏)”くらいの感覚でいていただくことが肝要と言えます。
真夏に秋冬の準備・・・なかなかイメージしにくいものですが、なるべく早く次なる季節の準備をすることで「丁寧な暮らし(生き方・人生)」に結び付いていくものではないかと。
そして、「出来上がりのイメージがしにくい」ということ。
これは多くの方にご指摘いただくことが多いのですが、「出来上がりをイメージすることもオーダーメイドの醍醐味」と捉えていただけましたら幸いです。仰る通り、1枚の生地サンプルからスーツなどの全体像をイメージすることは、オーダー慣れされている方でもなかなか難しいものです。それだけに生地選びに時間をかける方が大半なのですが、ぜひ仕立て上がりをイメージしながら考えを巡らせている時間も愉しんでいただきたいと思います。勿論私から必要なアドバイスもさせていただきますし、お客様とテーラーとのそんな会話自体がオーダーすることの「愉しさ」なのではないかと(個人的には)考えています。
物事は表裏一体と言われます。オーダーメイドのメリットとなり得ることは既製服のデメリットであったり、その逆も然り。何もかもオーダーメイドでなければいけないこともないでしょうし、私自身も(カジュアル着では)既製服も着ます。但し然るべき場には、その場に相応しい服装であるべき・・・という観点からオーダーメイドの先にある効用なども考え併せていただけましたら嬉し限りです。
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